老親・家族 在宅での看取り方

90歳の男性患者「旅行にも温泉にも行きたい」自分のしたい楽しいことをしよう

旅行にも温泉にも行きたい…

「これはどうしようもない、糖尿からのものだと言われています」(患者)

「付き合っていくしかないかなという感じです」(息子)

 気丈に振る舞う息子さんですが、それでも初めての在宅医療への不安は隠しきれないご様子。

「私たちが入ったからといって大学病院との縁が切れるわけではないです。みんなでチームになっていきます」(私)

「はい」(息子)

 私たちになんでも相談できることを理解してくれてからは、息子さんから具体的な要望がいくつも飛び出してきました。

「はい、もう薬がすごく多いんです。今からも12個も飲むんで減らしてもらいたいです」(息子)

「またお薬見させていただいて、減らせるかもしれないですね」(私)

「今までも抗がん剤の治療は行っていて、6年前の抗がん剤治療が最後でした。めまいとか結構ひどくて中断してもらいました。腎臓も危ないですよって言われていて」(息子)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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