「肥満症」は治療が必要な病気 30年ぶりに新薬「セマグルチド」の承認が了承される

肥満症は治療で治せる(C)ロイター

■副作用の心配は?

 今回、承認が了承されたセマグルチドは、食欲抑制作用のあるGLP-1受容体作動薬という薬だ。副作用として、悪心、嘔吐、下痢、便秘などが挙げられている。

「これは食欲抑制作用の裏返しと考えられます。満腹の時に脂っこいものを食べると胃がムカムカするでしょう。GLP-1受容体作動薬は薬の力で満腹のような状態にするので、それゆえに胃のムカムカなどが起こる。ただ、服用前の十分な説明で、患者さんの不安はかなり軽減される。使っているうちに胃のムカムカを感じなくなるケースも多い」

 GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療薬としてすでに使われている。糖尿病の場合、セマグルチドは最高量が1ミリグラムだが、肥満症では2.4ミリグラムが最高量。

「肥満症では0.25、0.5、1、1.7、2.4ミリグラムと小刻みに5段階あるので、その加減で量を調整するようになるでしょう」

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