老親・家族 在宅での看取り方

病気による苦痛を和らげ人生の最期を穏やかに過ごしたい

在宅医療も「ホスピス」としての役割が

「足のむくみはもともと?」(私)

「病院にいた時からです。座ることが多く足を下げるようになってからもっとひどくなって」(娘)

「食事は?」(私)

「だめ、食べられてないです」(娘)

 食事に関しては、主治医の先生からの申し送りにも、「食が進まずゼリーや果物中心。主食はあまり食べられてはおらず、もっぱら点滴」とありました。そしてその理由について、「病院食がおいしくないためであり、家に帰ったら食べるかもしれないし、もしも、食べられるようになれば高カロリー輸液も必要なくなる」との内容をいただいていました。ご家族としても自宅に帰り少しでも食欲を回復されることを期待されていました。

「出血は? 便とか?」(私)

「出てはいます」(患者)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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