手術を受ける患者さんが術後の肺血栓塞栓症を防ぐため、とりわけ抗血小板薬や抗凝固薬を常用している人は、必ずガイドラインに即した血栓予防の措置をしながら手術を受けられるよう確認しましょう。たとえば、心臓病があって抗血小板薬を飲んでいる人ががん手術を受ける場合、同じ病院内の循環器専門医の管理の下で、がん手術を行ってもらうのが賢明です。
最悪なのは、手術すると血栓ができやすくなって肺血栓塞栓症を起こすリスクがアップする、ステントが入っていればなおさら危険といった事実を知らない医師に、現在の病気の治療を任せることです。術中術後の血栓予防についてどのように対策しているか、確認することが大切です。
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