医療だけでは幸せになれない

対話型AIに聞いてみた ロックダウンと自粛の「倫理」

緊急事態宣言下で閑散とする渋谷のスクランブル交差点(C)日刊ゲンダイ

 この違いに沿って、ロックダウン下の行動制限と自粛下の行動制限について考えてみる。ロックダウンは、国としては客観性や合理性を重視し、外出しないことを倫理的な行動と考え、法的な罰則を設けて外出を制限する。そこで外出すれば、それは個人の判断、個人の責任となり、罰を受ける必要が生じる。この背景には、個人の自発性や感情が、倫理のレベルではコントロールできず、法的な強制が不可欠な社会ということでもある。

 一方、自粛はどうか。外出しないことが倫理的かどうか、国としてはしないことをお願いするが、最終的な判断は個人の自発性にゆだねるということである。ここにはロックダウンとは逆に、個人の自発性や感情が国の強制がなくてもコントロールできるという見通しがあったのかどうか。もしあったとしたら、それは倫理的ではない気がする。皆さんはどう思うだろうか。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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