上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心毒性のある抗がん剤を使っているがん患者は心不全に注意

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 それが今回、ガイドラインにまとめられたことで、がん専門医はより心臓に注意するようになりますし、心機能に問題がないかをスクリーニングするための心臓エコー装置を高感度なタイプに変更する医療機関が増えるのは間違いありません。また、専門の検査技師や循環器内科医が必要だという要請も出てくるでしょう。

 次回、抗がん剤と心不全についてさらに詳しくお話しします。

■本コラム書籍化第2弾「若さは心臓から築く」(講談社ビーシー)発売中

5 / 5 ページ

天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

関連記事