健康長寿のカギは腎臓にあり

人工透析を回避するためにこれからやれることをやっていこう

「腎臓リハビリテーション」と呼ばれる運動療法も

 慢性腎臓病と聞くと、すぐ「人工透析になるの?」と心配されがちなのですが、慢性腎臓病の患者さんの中で人工透析を受けている患者さんは、現在全体の約2%となっています。

 では、大半の慢性腎臓病は「大した病気じゃないのか」と言われれば、それは違います。先に書いたように、慢性腎臓病になると、心臓と脳と血管に負担がかかります。その背景には動脈硬化があり、そのまた背景には糖尿病や高血圧などの生活習慣病があるわけです。

 慢性腎臓病の患者さんは、健康な人に比べると約30%身体機能が低くなる。結果、寝たきりになってしまう人が増えるというデータがあります。

 ですから、最近、慢性腎臓病の患者さんに対してのアプローチに「運動の推奨」があり、当クリニックでも「腎臓リハビリテーション」と呼ばれる運動療法に取り組んでいます。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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