認知症になると、認知機能低下(記憶、見当識、言語、注意と集中、計算、学習、思考、判断の障害)のほか、心理・行動症状(幻覚・妄想、不安、抑うつ、易刺激性、脱抑制)、日常生活能力(ADL)の低下など、さまざまな障害が生じます。それらに対しては、複数の評価法が登場しています。
【MMSE(ミニメンタルステート検査)】
「Mini Mental State Examination」の頭文字をとったMMSEは、日本で最もよく使用されている簡易認知機能検査のひとつ。国際的にも通用するものになります。1975年に開発されました。
設問は、全部で11項目。ちょっと長いですが、どういうものかを挙げましょう。
「時間の見当識(『今日は何日ですか?』など)」「場所の見当識(『ここは何県ですか?』)」「物品名の復唱(『桜、猫、辞書』など、質問者が言った3つの単語を繰り返してもらう)」「注意と計算(暗算での引き算や、単語を逆から言う逆唱)」「再生(新しく覚えた記憶を保持し、思い出せるかを確認)」。
第一人者が教える 認知症のすべて
「物忘れ」とは最近やさっき起きたことの記憶を保持できない
スクリーニング検査は確定検査とは違う。より総合的な判断が必要