健康長寿に役立つ高齢薬膳

【ジャガイモ】お腹を温めて消化吸収を促進し胃腸トラブルに威力発揮

春菊のポテトサラダ(提供写真)

 中医学において過敏性腸症候群は「脾」と「肝」とよばれる臓器の不調によるものと考えます。脾は飲食物の消化・吸収をつかさどる臓器です。脾の働きが低下すると消化力が低下し、下痢や便秘、腹痛といったトラブルが起きやすくなります。

 脾を弱らせる原因になっているのは、じつは肝にあります。肝は自律神経をつかさどる臓器で、ストレスがかかるとその影響を受けてバランスを崩します。

 中医学では肝、心、脾、肺、腎の五臓は互いに協力して体を機能させると考えます。よってひとつの臓器が不調を起こすと、ほかの臓器に影響が表れます。肝の弱りが影響を及ぼしやすいのが脾。過敏性腸症候群は肝が脾を押さえつけることが大きな原因となっています。

 対策としてはまず、脾の働きを強めるとともに、肝をサポートする食材を取り入れることがポイントです。脾の働きを高めるためにおすすめなのが、ジャガイモ。イモ類は弱った脾を立て直す優れた働きがあります。

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池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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