また、脈拍が速いということは、心臓の中に血液が流れ込む拡張期が短いということです。脈拍が速い人は健常な人に比べて、血流が不足した状態で心臓を動かしているわけです。それだけ早く心臓が疲弊してしまう可能性があるといえます。
■基礎疾患があればきちんと治療する
では、脈拍が速い人はどのような対策が必要になるのでしょうか。
まず、脈拍を速くする基礎疾患がある人は、基礎疾患の治療を受けてください。頻脈を招く疾患でポピュラーなものは「貧血」と「甲状腺疾患」です。この2つの疾患に対してきちんと治療を行えば、頻脈も改善していきます。また、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害がある、女性であれば生理が重いなど、そうした要因が重なると頻脈を招きます。改善に取り組みましょう。
脈拍数を単純に減らすだけならば、「β遮断薬」という薬を飲めば解決します。高血圧、頻脈性の不整脈、虚血性心疾患、心不全などに対して使われる薬です。私自身も、50代の半ばくらいから甲状腺の病気がきっかけで、脈拍が75~80回程度と頻脈傾向が表れたため服用しています。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」