突然の頭痛や首痛は…くも膜下出血を招く「椎骨動脈解離」かもしれない

働き盛りの男性が多い

■高血圧の中高年は要注意

 くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂とともにバットで殴られたような激しい頭痛の症状が特徴で、致命率は30%と、脳卒中の中でも最も予後が悪い。くも膜下出血を発症させないためにも、「椎骨動脈解離」の予防が大切だ。普段から高血圧で動脈硬化の傾向がある人は特に気を付けたい。

「椎骨動脈解離で当院を受診される患者さんは年間約10人ほどで50~60代の働き盛りの男性が多いです。こうした男性は社会的責任から抱えるストレスが重く、過労で睡眠不足になりがちです。ストレスや睡眠不足は高血圧を招き、椎骨動脈解離を起こしやすくします」

 血圧(正常値:140/90㎜Hg以下)は起床とともに上がり、夜間にかけて徐々に下がって睡眠時に最も低くなる。しかし、睡眠障害で睡眠時に何度も目覚めるとそのたびに脳が覚醒して交感神経が活性化し、夜間でも高血圧の状態になる。椎骨動脈解離を防ぐためにも、普段から高血圧の人は睡眠時間をしっかり確保する必要がある。

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