がんと向き合い生きていく

胃がんの手術から2年目、夜な夜な“盗み食い”するようになって…

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 手術後の最初の1年間は、再発予防のための抗がん剤治療を行っていて、食欲はなく、食事量は減りました。2年目になって、この空腹感は抗がん剤がなくなったことでの、いわゆる反動のようにも思っていました。また、かつてKさんは毎晩、寝たばこをしていましたが、胃がんの手術をしてからは家の中から灰皿が消え、禁煙は続いています。

■再発の不安が原因?

 胃の手術をした後、Kさんは担当医から指導を受けました。そのメモには次のように書かれています。

「水分は十分にとる」「甘いものは食べてもよい ダンピング症候群を防ぐ」「なんでも食べてよい」「寝る直前は固形物は食べない」「禁煙」

 また、ある知り合いの医師から「睡眠剤を飲んでから食べるのはやめなさい」と言われたことがありました。

2 / 4 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事