実際のところ、レビー小体型にアルツハイマー型の症状が合併することは多く、初期では鑑別が難しいケースもあります。レビー小体型以外の認知症でも同様です。患者さん側としては、最初に診断された病名を100%正しいと思い込むのではなく、別の可能性もあるのではないか、という目を持つことも必要だと思います。
アルツハイマー型とレビー小体型の典型的な違いを紹介します。
【アルツハイマー型】
・記憶障害が主に現れる
・幻視は少ない
・物盗られ妄想がよくある
・認知機能は緩やかに低下
・穏やかで、症状が大きく変動することは少ない
【レビー小体型】
・人や虫がいるなどの幻視や見間違いが多い
・幻聴も少なくない
・幻視で嫉妬妄想などが引き起こされる
・認知機能は良い時と悪い時とがある
・寝ている時に大声を出すなどの異常行動がある
・表情が乏しく、気分も沈むことが多い
第一人者が教える 認知症のすべて