私が心臓の手術をした数年後の同窓会の帰り、夜の駅のホームで、B先生は少し千鳥足になりながら、「おい、体に気をつけてな。無理すんなよ。死ぬなよ」と大きな声をかけてくれました。そして、反対方向の満員電車に乗られ、手を振って行かれました。それが、B先生とお会いできた最後でした。
その2年後、B先生が膵臓がんで亡くなられたと聞きました。あれからすでに5年たちます。
新橋駅近くの居酒屋を思い出します。いつも、ニコニコ、優しい目、べらんめい口調で、大きく私を包んでくださいました。
「おおい、体に気をつけてな。無理すんなよ」
がんと向き合い生きていく