第一人者が教える 認知症のすべて

認知症疑いの親に病院で検査を…どうやって切り出せばいい?

写真はイメージ

 気を付けて見てみると、ティッシュペーパーや洗濯用洗剤など、十分過ぎるほどある日用品を、買い物へ行くたびにお義母さんが買ってきている様子。「いっぱいあるから、しばらく買わなくても大丈夫じゃない?」と言うと、「あら、そう」という反応なのですが、また買ってくる。「前はこんなんじゃなかったんだけどな。大丈夫かな」と思っていたそうです。

 もしかして認知症なんじゃないかと不安になってきたのは、この数カ月。

 同じものを何度も買ってくるのに加え、「テレビのリモコンがない」と捜していたら食器棚に入っていたり、一緒に出かける約束を忘れていたり。

「決定的だったのは、料理の味付けが変わったこと。料理好きで、お義母さんが作るものはなんでも絶品だったのに、何か味付けが変なんです」

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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