順番としては、まずは息子・娘から「いつまでも元気でいてほしいから」と受診を説得する。関係性によって、実の息子・娘のほうがいいか、義理の息子・娘のほうがいいかは変わります。それでダメなら、お孫さんから説得する。
それでもダメなら、かかりつけ医に「そろそろいい年齢だから、調べておいたほうがいい」と説得してもらう。
もし、父母の配偶者が健在なら、配偶者から「病院を受診したいけどひとりでは不安。付き添ってもらえないか」と切り出し2人で受診する。“付き添い側”の診察が主目的となるわけです。
冒頭の女性の場合、息子さんが「母親が認知症のはずがない」と説得を拒否(息子が母親の認知症を拒否するケースはよくあります)。
女性と、お義母さんが可愛がっていた娘さん(お義母さんから見たら孫)が2人で説得したところ、想像していたよりすんなりと応じてくれたそうです。患者さん自身が、以前はありえなかった物忘れなどに不安を感じていて、病院で診てもらいたい、でも勇気がない……と内心思っているケースも、またよくあります。
第一人者が教える 認知症のすべて