Dr.中川 がんサバイバーの知恵

AIががん診断の主役になる…胃も大腸も精度は専門医並み

CT検査で組織のタイプまでわかる日も(C)PIXTA

 来月、横浜で開催される国際腫瘍学会議「ASCO ブレークスルー」は最先端のがん治療が議論される場で、そのテーマの一つが、放射線とAIを組み合わせたラジオミクスです。通常400種以上に及ぶ大規模な医用画像データを網羅的に解析し、予後の予測などを行う新しい研究分野。これが発達すると、たとえば肺がんの画像のみで病理タイプを予測できるようになります。

 ただし、がん治療は複雑で、新しい医療技術などの評価を生存期間のみに求めることができません。診断分野ではAIが定着するでしょうが、治療全体の管理では専門医の関与が不可欠です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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