東洋医学を正しく知って不調改善

すぐイライラしてしまう…東洋医学における対策はあるのか

ああああ~っ、苛っ!

 イライラを漢字で表すと「苛苛」と書きます。この「苛」という字は「いらだつ」といったほかに「きつい」とか「厳しい」といった意味があります。

 このイライラを感じると、自律神経が乱れることがあり、それが過剰になると自律神経失調症といった疾患につながりやすくなります。その結果、さまざまな症状として現れます。

 東洋医学の根本には、体の内臓の働きを5つに分類した五臓(肝・心・脾・肺・腎)、それに対応する情緒として五志(怒・喜・思・憂・恐)、万物を構成する5種類の元素である五行(木・火・土・金・水)があります。

 イライラに関わりがあるのが、五臓では「肝」、五行では「木」、そして五志では「怒」となります。

徳江謙太先生(提供写真)

 「肝」は体のすみずみまでエネルギーを行き渡らせる役割がありますが、イライラしてしまうとその肝がダメージを受け、体のすみずみまでエネルギーを行き渡らせられなくなるのです。

 この肝のエネルギーは、木が上に伸びていくのと同じように、体の中でも上に上にと上がっていく特徴があります。

 上に上がると顔にエネルギーがたまります。顔が赤くなり、進行すると眉間にしわが寄り、頭痛が生じます。さらに行き場をなくしたエネルギーは、発散しようと頭のてっぺんから抜け出そうとする……。すると髪の毛が邪魔になり、髪の毛が抜けやすくなるのです。

 イライラが高じて抜け毛になるなんて、びっくりされている方もいるのではないでしょうか。

 そんな肝に対して効くツボをご紹介しましょう。

 足の親指と人さし指の骨をたどっていくとぶつかる場所「太衝」です。このツボを押すと肝が整えられ、リラックスしやすい状態になります。皆さんもぜひ、1日1回でもいいので指先などで押してみてください。

徳江謙太

徳江謙太

日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員。鍼灸師・柔道整復師・介護支援専門員。

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