がんと向き合い生きていく

入院生活をきっかけにひどいイビキをかくようになって…

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 私は大学時代、リンパ節が腫れ、不明熱が続き、急性白血病が疑われましたが、幸い「伝染性単核症」というウイルス感染症で、それでも1カ月入院しました。

 この時、38度以上の発熱が2週間ほど続き、解熱はしましたが、その後はひどい咽頭炎や口内炎が起こり、口も開けなくなりました。口から食事が取れなくなり、鼻から管を入れての経鼻経管栄養となったのです。つまり、大きな注射器から管を通して流動食を鼻から入れたのです。

 この炎症が治った頃からではないかと思うのですが、「イビキ」をかくようになりました。特にお酒を飲んだ時がひどいようで、時々、呼吸が止まるとも言われるのです。

 大学を卒業して、医局に入ったその年の忘年会は温泉宿に1泊し、麻雀大会が行われました。ひとつの大広間に50人ほど泊まったのです。私は端の方の布団に横たわり、みんなが寝てしまうのを待つつもりでしたが、お酒も入っていて眠ってしまいました。案の定、翌朝に先輩から「おまえのイビキがうるさかった」と言われてしまいました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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