役に立つオモシロ医学論文

中国ではゼロコロナ政策中止から2カ月で約190万人の超過死亡…3大学の詳報資料などから推計

ゼロコロナ政策で封鎖される居住区(中国陝西省西安市=2022年)/(C)共同通信社

 その結果、ゼロコロナ政策の終了から2カ月間で、推定187万人(人口1000人あたり1.33人)の超過死亡が確認されました。統計学的にも有意な死亡率の増加は中国全土で観察され、最も低い広西チワン族自治区においても77%の増加、寧夏回族自治区では279%の増加を認めました。

 中国当局は、ほぼ同時期の超過死亡者数を6万人と公表していましたが、その数を大幅に上回る結果となっています。論文著者らは「この研究結果は、新型コロナウイルスの急速な感染拡大が、死亡率にどのような影響を与えるのかを理解する上で重要である」と結論しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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