Dr.中川 がんサバイバーの知恵

「1日5分の高強度運動」は13種類の発がんリスクを最大3割減らす

小走りで横断歩道を渡るのも侮れない?(C)日刊ゲンダイ

 東北大の研究では、週30~60分の筋トレが、総死亡や心筋梗塞・脳卒中、がんについてリスクを最も低下させることを報告。しかし、週130~140分では、これらのリスクがむしろ高くなるとしています。

 過ぎたるは及ばざるがごとしで、コペンハーゲンのジョギング愛好者1000人のデータもその傾向を後押ししています。軽度、中等度、高強度に分けて、ランナーの死亡率を調べたところ、中等度までは走らない人に比べて死亡率の低下が認められましたが、高強度では何と2倍に増えていたのです。

 ちなみに適度な運動は世界的に1日30分、週5回以上とするのが通例。運動不足の人は、まず5分程度のちょこまか運動から始めて、1日30分を目指すとよいと思います。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事