しかし、非ランダム化の介入研究や観察研究での報告は多数ある。そのうちのいくつかの研究を見てみよう。
■歴史的に否定されることの多い非ランダム化前後比較試験
まず非ランダム化前後比較試験である。米国・ボストンで段階的に学校におけるユニバーサルマスキング(人と接する状況では常にマスクをすることを原則にする)を中止していく際の、生徒と教師のコロナ感染をマスク中止前後で比較した研究である。
マスク中止の前後比較においては1000人当たりの感染が44.9(95%信頼区間 32.6~57.1)増加したという結果である。この感染の増加は教員においてより顕著で、教員1000人当たりの感染が81.7(59.3~104.1)増加、生徒は39.9(24.3~55.4)増加という結果である。
医療だけでは幸せになれない