医療だけでは幸せになれない

インフルとコロナ感染拡大…学校関係者はマスクに関する科学的研究成果を知るべきだ

コホート研究では学校での着用は「効果あり」(C)PIXTA

注3)信頼区間:調査結果を知るための統計科学的な推測法のこと。95%信頼区間とは「同じような研究を100回行えば95回はその範囲に収まる」と推定される結果のことを言う。

注4)交絡:バイアスのひとつで、データ解析における「因果関係」の間に介在する要因が関係をかく乱する。一例をあげれば、マスク着用群のワクチン接種率が90%で、非着用群が30%というような場合、マスク着用の効果がワクチン接種の交絡によって過大評価されることになる。

注5)多変量解析:交絡因子を補正するための統計学的手法のひとつ。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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