糖尿病の人は死にたくなければ…膵臓がん検査を忘れてはいけない!

江戸川病院放射線科の黒﨑弘正部長(提供写真)

 膵臓がんが予後不良な原因は、膵臓はリンパが豊富なため、リンパ節転移を起こしやすく、膵臓の血流は門脈を介して肝臓に向かうことから、肝転移もおこしやすいのです。また、体の奥深くにあるため、胃や腸に隠れて見つけづらく、手術しにくいことも挙げられます。

 2型糖尿病では突然血糖のコントロールが悪くなって、膵臓がんが見つかるケースは決して珍しくありません。糖尿病患者さんは一般の人と比べて、膵臓がんを2倍発症しやすいとされています。

 このことから糖尿病の管理にはただ血糖をコントロールするだけでなく、膵臓がんのチェックをしていくことが必要です。

「腹部超音波検査」(エコー)は、膵臓を調べる検査としてもっとも一般的です。膵臓がんを発症すると、膵管の拡張が起こりやすいことが知られています。MRIのほうがより発見しやすいとのことですが、簡便さ、およびコストの面からもまずはエコーで調べ、必要に応じてMRIや超音波内視鏡で精査するのが一般的かと思います。

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