糖尿病の人は死にたくなければ…膵臓がん検査を忘れてはいけない!

江戸川病院放射線科の黒﨑弘正部長(提供写真)

 最近はメタボの人も多く、脂肪肝の人も珍しくありません。脂肪肝は公的保険でエコーだけでなく、CTやMRIを受けられます。「膵臓も診てください」とお願いするとよいでしょう。

 なかには、急激な痩せを伴い、膵臓がんの発症とともに血糖コントロールが悪くなってインスリン治療を受けられる患者さんもいらっしゃいます。膵臓がんができたことで、インスリンがまったく出なくなるケースもあります。

 治療やがんの進行に伴って発症する場合もあります。私が経験した例がまさにそう。がんが進行し、腹水もあり、ほとんど食べられない状態にもかかわらず、強い口渇を訴え、血糖値が800まで上昇した患者さんもおられました。

 早期の膵臓がんが見つかった場合は通常は手術を行い、その後抗がん剤を行うのが一般的です。

 近年、放射線治療装置の進歩で、より精度の高い、そして高線量の放射線治療が行われつつあります。実際に2020年からは定位放射線治療(ピンポイント照射)が保険適用されるようになりました。

 その結果、「今まで放射線治療で膵臓がんが治らなかったのは線量が足らなかったためではないか」と推測できるようなデータが集まりつつあります。

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