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北米でも人間を襲うクマが増加 「気候変動による“ニューノーマル”と考えるべき」と研究者

気候変動による食糧不足がクマとの衝突の要因とも(C)iStock

 日本では今年、クマの人間に対する攻撃が激増し、住民の命をどう守るかが深刻な問題となっています。実は北米でも近年、クマの人間に対する攻撃パターンに著しい変化が見られています。その主な原因と考えられているのが、気候変動です。

 北米では1960年代以降、人間とクマの衝突に関する研究が続けられてきました。

 特にクマの2つの行動、食物に対する条件づけと、人への馴れを阻止することの重要性が明らかになりました。こうした研究結果は政策に反映され、多くの人間とクマの命を救ってきました。

 しかしこうした研究は、すべての生態系が安定していることが前提でした。科学ジャーナルで知られる非営利メディア「ザ・カンバセーション」への寄稿で、カナダのサスカチュワン大学のダグラス・クラーク教授はこう語ります。

「クマと人間の衝突の急激な増加の原因は食糧不足。私たちはこれを、気候変動による生態系の崩壊という“ニューノーマル“として考えるべきだ」

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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