舌がんの切らない治療「選択的動注併用放射線療法」 体験したシェフに聞いた

舌を半分以上切ると嚥下機能にも影響

 一連の経験を経て皆さんに伝えたいのは、がんと診断されたら、提示された治療法しかないと思わず、広い目線で望む治療を探してほしいということ。希望通りのものはないかもしれないが、近い形のものは得られるかもしれません。私自身、そうしたおかげで、現在があると考えています。

■選択的動注併用放射線療法

 進行性の舌がんで行う選択的動注併用放射線療法は、全身抗がん剤、放射線、抗がん剤の動注療法を組み合わせて行う。 

 抗がん剤は通常経口、または静脈から投与するが、動注療法では、カテーテルを動脈に通してがんに直接投与。大半は大腿動脈からカテーテルを挿入するところを、30年以上前からこの治療を行う不破信和医師は、独自開発のマイクロカテーテルを用いて、耳の前の浅側頭動脈から挿入。

 従来法では脳梗塞のリスクが2~4%あったが、それを起こりにくくした。

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