Dr.中川 がんサバイバーの知恵

三井住友FG太田社長は決算発表欠席から11日後にがんで“ピンピンコロリ”

8年前に肺がんで亡くなった愛川欽也さん(C)日刊ゲンダイ

 進行がんでは、強い痛みがありますから、モルヒネに代表される医療用麻薬はしっかりと使うことが必要です。緩和ケアは欠かせません。

 もちろん、根治が見込める病期や病状なら、がんと闘うことが重要ですが、進行がんで生活の質を重視するなら、がんと折り合ってピンピンコロリを迎える戦略も決して悪くありません。一流バンカーの最期に、改めてそのことを痛感しました。

 太田さんのご冥福をお祈りします。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事