がんと向き合い生きていく

これからは75歳以上のがん医療についてもっと検討しなければならない

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

「適度な身体活動」と「適正体重の維持」については、この3年間、コロナ流行で通勤がなくなりテレワークとなって自宅にこもった方、運動不足でスポーツ活動が減り、適正体重(BMI:体重【キログラム】を身長×身長【メートル】で割った数)21.5~24.9が維持されなくなった人などは、改善を心がけていただきたいと思います。

 がん発症に起因する感染症は、ウイルスでは肝炎ウイルス、子宮頚がんウイルス(HPV)、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)があげられます。予防接種としてB型肝炎ワクチン、HPVワクチンがあります。感染の予防対策と、ワクチン接種を正しく行っていただきたいと思います。

 細菌ではヘリコバクター・ピロリ菌が胃がん発生に関与していることが分かっており、抗生剤による除菌が行われています。

■がんの診断技術の進歩は目覚ましい

2 / 4 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事