がんと向き合い生きていく

これからは75歳以上のがん医療についてもっと検討しなければならない

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27(2015)年に3387万人となり、団塊の世代が75歳以上となる令和7(2025)年には3677万人に達すると見込まれています。その後も高齢者人口は増加傾向が続き、令和24(2042)年に3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。

 高齢者にがんが多い理由は、年齢を重ねた身体は細胞の発生においてエラーが多くなり、その修復能力が下がるため、つまり免疫力が落ちるためと考えられています。これからは75歳以上のがん医療について、もっと検討しなければならないと思います。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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