胃や腸などの臓器の表面は漿膜で覆われていますが、食道には漿膜がないため、食道にがんができると、早期にリンパ節や大動脈周辺などに転移しやすい。厄介ながんなのはそれも一因ですが、化学放射線療法ならステージ4aまで根治が期待できます。
山崎さんと同じくらいの時期にステージ3の食道がんが判明した女優の秋野暢子さん(66)は、化学放射線療法で治療され、仕事に復帰されています。胃も食道も残っているので、今は痩せた印象もありません。
食道がんのリスクは、飲酒と喫煙です。たばこは吸いませんが、酒飲みの私は人ごとではありません。飲酒後の口の中は、発がん物質のアセトアルデヒドの血中濃度が10倍に上昇するという報告もありますから、お酒はほどほどにして、歯磨きを心掛けています。
山崎さんのご冥福をお祈りします。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵