時間栄養学と旬の食材

【はんぺん】牛肉並みのタンパク質量ながら低エネルギーで朝食におすすめ

はんぺんは室町時代の料理本にも

 大きいサイズのはんぺん1枚(100グラム)は9.9グラムのタンパク質と1グラムの脂質で構成されています。

 同量の牛肉や鶏卵と同程度のタンパク質を含みながら、エネルギーはなんと牛肉の3分の1という低エネルギーっぷりも魅力です。

 牛肉の倍以上の消化率を有するほど消化吸収が良いことや、主原料のひとつでもある魚がふんだんに含まれている点も加味すると、育ち盛りの子供や食生活に気を使うご年配の方までおすすめの食材です。

 ただし、摂取量には注意が必要! 100グラム中の塩分は1.5グラムなので、1日の塩分摂取目標量(男性7.5グラム、女性6.5グラム)を考えながら食べる必要はありそうです。とはいっても、ウインナー100グラム(約4~5本)の塩分は1.9グラム、しらす干し1食(25グラム)は1.7グラムであることを考えたら、敬遠するほど多すぎるわけではなさそうですね。また、100グラム中の糖質が11.4グラムなのも、砂糖を多く使ったスナックやジュースと比べると低いですが、糖質制限中の方は適切な摂取量を守りながら取り入れることが大切でしょう。 

 ラットの実験にはなりますが、はんぺんを含む飼料を与えると善玉コレステロールが増え、LDHが下がって肝機能の悪化を抑制することもわかっています。

 朝からシャキッと活動するためにも朝食にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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