できるだけトイレに行きたくないときに人はどうするのかというと、水分を取らないようになります。水分を取らないこと自体が血栓症などさまざまなリスクになりますし、心不全や高血圧などで利尿薬を服用している場合には特に注意が必要となることがあります。それは「脱水」です。
脱水を起こさないためにはしっかり水分を摂取することが重要なのですが、かといって衛生状態の悪いトイレを頻繁に使用するのも感染症のリスクとなります。衛生環境がある程度改善されるまでは、利尿薬の服用を中止するというのも考慮してよいかもしれません。
避難所での生活では、食生活も普段とは大きく変わります。支援物資で届けられる食事の多くはパンやカップ麺、おにぎりなどの炭水化物が主体です。また、避難所生活では食事摂取量が減るケースもあります。糖尿病でクスリを使っている場合には、そういった食生活の変化を考慮しなければならず、特に低血糖には注意が必要です。そのため、低血糖リスクの高いクスリの服用・使用を中止することも考えなければなりません。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方