退院時には、転倒した当時よりも元気になってパワーアップして自宅に帰られるので、ご家族は「骨折した時よりもすごく元気になった。いったい何が起こったのだろう」とびっくりされます。
認知症があって転倒、骨折した場合、認知症の程度によっては「失認」「失行」などの症状から動作ができなかったり、骨折時の痛みを怖がって動作ができなくなるケースがあり、リハビリが行えずに回復が難しい方もいらっしゃいます。
しかし、認知機能が保たれており、もともと自分ひとりで歩いていた高齢者が骨折して歩けなくなった場合、われわれは「当然、回復できます」という感覚でリハビリを行います。リハビリ医にそう判断できる力量がなければ、骨折をきっかけに寝たきりになって、介護が必要になる高齢者を増やしてしまう可能性もあるのです。
正解のリハビリ、最善の介護