高齢者が骨折した場合、年齢だけを見て「高齢なので手術はできない」という整形外科の医師も中にはいますが、骨折や関節、脊椎の手術に自信を持っている医師なら、患者さんが高齢だろうと関係なく、可能な限り良質な手術を実施します。
手術後の回復期には、姿勢を整え、かかとを接地したきれいな歩きができて、疼痛も改善する適切なリハビリが欠かせません。ただ、リハビリにおいても、患者さんの年齢を見て「高齢で回復は難しいから、もう以前のように歩くことはできません」などと告げるリハビリ医がいるのも現実です。
たしかに、高齢の患者さんはただでさえ身体機能や認知機能が衰えているため、十分なリハビリを行えず、思ったように回復しないケースもあります。しかし、私はむしろ逆に考えます。たとえば、今まで元気に歩いていた高齢の患者さんなら、「その年齢になってもしっかり歩けていたということ。それならば、骨折の手術後でもきちんとリハビリを行えば元の状態には回復できる」と予測するのです。
正解のリハビリ、最善の介護