散歩中に転倒して大腿骨頚部を骨折した103歳の男性患者さんが来院されたときもそうでした。認知機能は正常で、骨折前は杖を使わずに屋外もひとりで歩いておられました。これなら、骨折前の状態まで戻る可能性が高いと考えました。もともとの健康状態が良好で、麻酔科医に全身麻酔も問題なく行えると判断されたので、まずは急性期病院の整形外科で骨折の手術を迅速に受けてもらい、その後に速やかに回復期リハビリを行った結果、元気に歩いて自宅退院されました。
■もともと元気だったのだから回復できると考える
この患者さんのように、認知機能に問題はなく転倒して骨折する高齢者は、もともと元気で活動的な方が多くいらっしゃいます。しかし、加齢とともに体力が徐々に弱っていく段階で、転倒して骨折が起こるのです。「動ける」ということは、ベースの体力や身体機能は良好といえます。ですから、骨折して手術を受け、回復期で適切なリハビリを行うと、骨折前の弱っていた段階でなく、その前の元気に活動していた頃の状態まで回復するケースが起こるのです。
正解のリハビリ、最善の介護