ただし、残念ながら遺伝子検査を受けても、うまく治療に結びつくとは限りません。遺伝子検査は標準治療がない、あるいは標準治療が終わった人が対象で、毎年約100万人いるがん患者の1%です。さらに検査の結果、適当な薬剤が見つかるのは10%ですから、全体の0.1%に限られます。
森永さんは、その後のラジオ番組でオプジーボで治療されていることを報告しています。オプジーボは、原発不明がんにも適応がある免疫チェックポイント阻害剤です。現在、さまざまな遺伝子変異をターゲットとした薬剤の研究開発が世界的に進められていますから、厄介ながんの治療も今後、進むことが期待されます。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵