やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」の意外な副作用…多血症との関係

健康診断時は服薬の告知を

 なぜ、この男性は多血症の疑いを宣告されたのか? それは血液検査で赤血球の成分の数値が高かったからだ。

「血液の濃さを示す指標は『ヘモグロビン値(Hb)』と『ヘマトクリット(Ht)』があります。ヘモグロビンは赤血球の中にあるタンパク質の一種で、肺で酸素と結びつき全身に酸素を運ぶとともに不要になった二酸化炭素を肺に戻します。ヘモグロビン値は1デシリットル当たりの数値で成人男性は13.0~16.6グラム/デシリットル、成人女性は11.4~14.6グラム/デシリットルが正常とされます。ヘマトクリットは血液(へマト)100ミリリットル中に占める赤血球の割合の数値で、正常値は成人男性は40~50%、成人女性は35~45%です」

 この男性はヘモグロビン値、ヘマトクリットともに異常値だったという。原因はSGLT2阻害薬だった。

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