医師の言葉に従ってまじめに薬を飲み続けた男性は、しばらくすると確かに体重が減ってきたという。1カ月もすると4キロほど落ち、体調も回復した。
ところが、回復直後の健康診断では期待に反して意外な病名を告げられ精密検査を受けるよう強く勧められたという。
「『多血症』の疑いがあると診断されたそうです」
多血症とは血液中の赤血球の濃度が高くなる病気のこと。血液の粘性が高まることで血行の悪化を招き、脱力感、疲労感、頭痛、ふらつき、めまい、視界のゆがみなどの症状が現れる。赤ら顔、目や口の中の粘膜の充血などが見られることも多く、皮膚のかゆみのほか肝臓や脾臓が腫れることもある。
「多血症は進行すると血液が固まりやすくなるため、血管内に血栓ができて心筋梗塞や脳梗塞、肺塞栓症などの発症リスクが高くなります。多血症のタイプによってはごくまれにですが、白血病に進行することもあります」