また、ステロイド常用者では多くの抗菌薬に耐性を持った「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」に変化しているケースがあり、抵抗力が落ちている患者さんに感染すると、産生される毒素によって敗血症からの重症感染症による多臓器不全を招く場合もあります。さらに、MRSAは傷口での院内感染を引き起こす最大の原因で、感染すると閉じた傷口が開いて膿を持ち、敗血症を起こして3分の1が亡くなってしまうほど深刻な耐性菌です。
ほかにも、長期にわたってステロイドを使っていると副腎が萎縮してしまうため、たとえば急激なショック状態になったときに回復が悪くなるなど、すべての生体反応が鈍ってしまいます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」