老親・家族 在宅での看取り方

医療相談から愚痴まで…患者や介護者の気が軽くなるよう“聞き役”に

患者さんだけでなく、介護の方の気が軽くなるように…

「今ナルサス(錠剤)といって麻薬で長く効くのもあるので、そっちに切り替えて飲んだほうが楽かもしれない。ぼーっとしたりする可能性があるのと、ムカムカしたりするのが出るのと、そこは気をつけながらですが。吐き気止めは出てないですかね?」(私)

「入ってないですね」(患者)

 数回の診療で前回使用した薬の効果や相性、今後フォローし続けないといけない課題について確認すると、比較的安定されているご様子です。ですがそんなある日、患者さんの介護をしているキーパーソンでもある姪にあたる方より、「真夜中におばちゃんに睡眠薬を飲ませるということは可能でしょうか?」との相談メールをいただきます。

「ここ何日間か私は夜中に何度も起こされ、まともに眠れてないため、家事や犬の世話ができなくなってきて、イライラして、おばちゃんに当たってしまって。それを姉2人に相談したところ、ドクターさんに話せば睡眠薬をもらえるよと言われて……」

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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