歯を削らない虫歯治療はここまで進化している…ドリルも麻酔も不要

小野氏によるレーザー治療(提供写真)

「当院で導入している『エルビウムヤグレーザー』は、患部にレーザーを照射し虫歯だけをピンポイントで蒸発させる治療法です。水を併用するので痛みがなく麻酔の必要もありません。照射時間も2~3分程度で、虫歯を取り切ったら詰め物をして終了です。通常1回の治療で終わるので、患者さんからは従来法と異なり治療時間が短縮されたと喜ばれています」

 ほかにも、レーザー治療は虫歯が神経まで達した場合にも適応される。一見、歯の神経は太い1本の幹に見えるが、先端には木の根っこ状の細い枝が付いていて、その周辺には神経が入る狭い穴がいくつも存在している。それにより、従来の根管治療で用いられている器具では細かい部分まで届きにくく、十分な治療が難しいという。

「根管治療は歯科医師の間でも最も難しい治療といわれ、実際、東京歯科大学の調査によると保険治療における成功率は30~50%といわれています。取り残しが生じると痛みや違和感が生じる恐れがあります。しかし、レーザーであれば熱作用によって器具が入りづらい部位や枝分かれした神経の細かい部分までしっかりと殺菌でき、完璧な根管治療が実現できるのです」

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