高齢者の正しいクスリとの付き合い方

「利尿薬」を飲むとどうしておしっこの量が増えるのか?

写真はイメージ(C)iStock

 腎臓の集合管という部位には水の動きをコントロールするところがあり、バソプレシンというホルモンが関与しています。トルバプタンはこのバソプレシンの働きを抑制することで尿から血液への水の再吸収を減らし、尿の量を増やします。現時点では水利尿で尿を増やすことができるクスリはトルバプタンだけです。

 次回はこういった利尿薬が必要となる病態はどのようなものなのかについて紹介します。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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