正解のリハビリ、最善の介護

「老健」のリハビリでより回復するための方法はあるのか?

「ねりま健育会病院」院長の酒向正春氏(C)日刊ゲンダイ

 認知症や生活習慣病などを抱える慢性期の高齢者が回復のための本格的なリハビリを受けられる施設は「介護老人保健施設」(老健)しかありません。ただし、ほとんどの老健は、単に入所期間にあたる3カ月の生活支援を受ける、いわゆる“お預かり老健”となっているのが現状です。そのため「攻めのリハビリを受けてしっかり回復したい」と考えている患者さんは、より適切な老健を選択する必要があります。

 現在の日本の保険制度では老健は5段階に区分されています。①「超強化型」②「在宅強化型」③「加算型」④「基本型」⑤「その他」の5種類です。

 この区分は「老健は在宅復帰に向けたリハビリを受ける施設」であることをより明確にするために設けられたもので、在宅復帰率、ベッド回転率、リハビリ専門職の配置割合など10項目の実績に応じて加算される在宅復帰・在宅療養支援等指標の点数と、退所時指導やリハビリマネジメントなど4つの評価項目によって区分されています。

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酒向正春

酒向正春

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

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