回復期病院や介護老人保健施設(老健)で攻めのリハビリを受け、回復して退院された患者さんは、自宅でもリハビリを毎日の習慣として続けることが大切です。
まず、意識して取り組んで欲しいのは、筋力と体力が落ちないようにすることです。そのためには「歩く」のが基本で、1日5000歩以上、距離にすると2キロ以上は歩くことが推奨されています。これを継続することはもちろん有効なのですが、さらに重要なリハビリが「立ち上がり訓練」です。筋力は100歳でも増加します。
まずイスに座った状態から、できれば手は使わずに腰を浮かせてスッと立ち上がります。立ち姿勢では床に踵をつき、膝と股関節を伸ばします。次に上半身を少し前に倒してお辞儀するような姿勢で腰を落とし、再びイスに座ります。このとき、勢いよくドスンと座らないようにします。圧迫骨折を防ぐためです。
この動作を連続して30回が1セットで、それを朝、昼、晩と食事の前か後のお気に入りの時間に1日3セット行います。30回×3セットですから1日合計90回になります。これは最低限の回数で、可能ならば50回×3セット、1日合計150回行います。この立ち上がり訓練を継続してできるようになると、足腰の筋力や股関節の動きが安定して、転倒しにくくなるのです。
正解のリハビリ、最善の介護