独白 愉快な“病人”たち

NTT Comラグビー部コーチ 栗原徹さん(37)喘息

「喘息が理由でラグビーをやめようと思ったことはない」と語る(C)日刊ゲンダイ

 初めて喘息と診断されたのは高校1年、16歳のときでした。ラグビーの練習中に呼吸困難になって倒れたのがきっかけです。

 それまでは、熱があったり風邪をひいたときは即休ませてもらっていたのですが、倒れたときは高校の全国大会が間近に迫っていた大事な時期でした。それで無理して休まなかったのがいけなかったのだと思います。

 それまでは「喘息」という言葉も知らなかったんですが、気管が炎症を起こして狭くなる病気で、場合によっては命の危険もあると知り、驚きました。それ以降は、発作を起きにくくする薬を朝1回飲むことと、サルタノール(気管支を広げる薬)を吸入する吸入器が手放せない生活です。

 発作は寝る前や起きたときが多いのですが、水を飲んでむせただけでも始まることもあります。発作を起こすと、息を吸っても吸っても酸素が入ってこない感じになりますから、吸入器は体の一部といってもいいくらい必要不可欠なものになっています。生活するいろいろな場所に置いてありますし、現役時代は練習中トレーナーさんに携帯してもらっていました。

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