国民健康保険の運営主体が「市町村」から「都道府県」に移ると、保険料がアップする。
立教大学コミュニティ福祉学部・芝田英昭教授は言う。
「厚労省によると、全国市町村の国民健康保険の赤字額は3585億円。これが大問題にならなかったのは、住民の顔が見える市町村では住民負担が増えないよう一般財源からの繰り入れ(=法定外繰り入れ)で赤字を埋める工夫を凝らしてきたからです。しかし、都道府県が全体の医療費を推計し、市町村に徴収額を振り分ける2年後の新方式ではこうはいきません。議会承認という手続きが省かれた分、法定外繰り入れが難しくなります。つまり、あらかじめ赤字分を予想した上で、加入者の保険料をアップさせることになります」
保険料はいくらアップするのか。厚労省の試算では、移管で年間約3万9000円上昇(13年)としている。問題は、この保険料は平均であって、実際はさらに高くなることだ。
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