糖尿病の下肢切断を回避 注目の「PRP療法」を詳しく知る

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 40~60ミリリットルの血液(献血の7~10分の1程度)を採取し、遠心分離機でPRPを作成。4回に分け、1週間に1度の外来で潰瘍部分に塗布する。1クール(週1×4回)で痛みが消えたり、皮膚の形成が見えてくるなど効果が表れれば、2クール目に進む。

 下肢切断しかない、いわば万策尽きた患者が対象だが、PRP療法を実施した22症例のうち、16症例が治癒。これはかなりの好成績だという。潰瘍の範囲が広ければ、健康な皮膚を小さく切り、潰瘍部分に適度に置く「ピンチグラフト」という治療と組み合わせる。

「ただし、PRPを塗れば治る魔法の治療と考えるのは間違い」と、治療を担当する菅谷文人主任医長は指摘する。

「皮膚潰瘍は糖尿病だけではなく、静脈うっ帯や膠原病などさまざまな原因が重なって起こる。これらの原因改善を併せて行わなければ不十分です」

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