その問題はさておき、胃がん・大腸がんでは、開腹・腹腔鏡による切除手術が積極的に行われています。特に大腸がんは、新規患者の大半が手術を受けている計算になります。しかし、膵臓がんと肝臓がんでは、手術を受けるのは新規患者の半分にも満たないことが分かります。膵臓がんはかなり進行してから見つかることが多く、手術できたとしても5年生存率がかなり低いのが実情です。
一方、肝臓がんにはマイクロ波凝固療法など、切除術よりもマイルドな治療法があります。がんがある程度小さければ、こちらの方が安全で効果的です。
肺がんも手術割合が低いがんです。数字から、新規患者の3人に1人しか受けていないことが分かります。ステージⅢ以上で、実質的には大半の患者が手術対象外になってしまうということと、放射線や抗がん剤が比較的よく効くことが影響していると思われます。
前立腺がんも手術はかなり少なめです。こちらはホルモン剤と放射線がよく効きます。また高齢者の前立腺がんは、おとなしいものが多く、むしろ放置しておいたほうがQOLを保ちやすいといわれています。
明細書が語る日本の医療