薬の服用数は減らせるが…「合剤」が向く人と向かない人

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「胃の不調があって消化が悪い人も合剤に向いていません。薬には、胃で溶けて吸収されることで効果が表れるタイプと、腸で吸収されることで効果が表れるタイプがあります。その2種類を組み合わせた合剤は、腸で吸収するべき薬の周囲に、胃で吸収するべき薬がコーティングされています。そうした合剤を消化が悪い人が服用すると、いつまでも胃の中に薬が残ってしまい、腸で吸収すべき薬の成分を腸で吸収できません。逆に胃では吸収されずに薬がそのまま腸まで通過してしまい、正しい薬効が表れないケースも考えられます」

 血液をサラサラにして脳梗塞などを予防する薬に、前記のタイプの合剤がある。予防薬は、特に自覚症状がない状態で服用し続けるので、本人はその薬が本当に効いているのかどうかはわからない。そのため、胃の調子が悪い人がこの合剤を服用し続けた場合、実際には正しい薬の効果が出ていなかったことで、脳梗塞を招いてしまう可能性もありえるのだ。

 飲む薬を減らしたいからと、安易に合剤に飛び付くべきではない。

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